本棚・焦燥・ハンバーグ
家の本棚がいっぱいになって久しく、
仕方がないのでローテーブルの上に積み上げていたのですが、
これが何かの拍子に崩れまして、読んだ順番が分からなくなりました。
別にまあ読んだ順番などどうでもいいのですけれども、
いざ分からなくなるとなんというか、
自分の歴史が崩れてしまったようで不安になります。
見ればあんまり内容を覚えていないものもちらほら。
一時期小説のハズレサイクルにどっぷりはまっていたことがあって、
その頃の二度と読み返さないはずの小説とか、
もう面白くなかったという記憶だけで内容はサッパリなものだから、
「あれ?何がそんなに気に入らなかったんだっけ?」みたいなことで
逆に読み返してしまったりして、それでやっぱり面白くなかったりして、
そんな時間を過ごしている間に桜が散りました。
不毛!
やばい、こんなことしてていいのかな。いい年して。
こんな感じで30代を迎えるのは30代に失礼じゃないのかな。
今年中になんとかしないと。なんかわかんないけどいろいろしないと。
あー。いつの間にか29才になっていますササガキです。
行き場のない焦燥感。
ちなみにハズレ小説のサイクルから脱したのは、
「日曜日たち/吉田修一」からでした。
こう、たまにありますよね、
自分の置かれた状況とか気分とかにバチッとはまる小説が。
これは久々にその感がありました。
あと、崩れ落ちていった本たちの中では
「麦ふみクーツェ/いしいしんじ」「ブラフマンの埋葬/小川洋子」
といったメルヘンものも印象に残っていました。
ほら、僕って地がメルヘンじゃないですか。
蝶を追いかけたら3日は戻ってこないという筋金入りのメルヘンじゃないですか。
メルヘン界の最右翼と言われているわけじゃないですか。
知らないけど。
メルヘンというか、児童文学って、
こう人生経験の少ない対象に心の機微を伝えなければならないのだから
あれはあれで高度なものですよね。ええ。
今になって児童文学が面白い。
そんな29才児。
ハンバーグとエビフライが好き。