ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

ブックカバー

この時期、渋谷のLOFTなどで買い物をすると、

赤と緑の包装紙を広げた店員に必ず

「贈り物ですか?」と聞かれる事になります。

どうも。自宅用ですササガキです。

空気を読め。と。

まあ確かにブックカバーなんて微妙なものを

革ジャンにドクロのニット帽をかぶった覇気のない男が買って行ったら

プレゼント用だと思うのも無理からぬ話だけど。

どっこい自分用ですから。

すぐ開けますから袋とか。店出たらすぐですから。

包装紙なんかびりっびりにしますから。この野郎、この野郎、つって。

いやね、先日中身ごとブックカバーを紛失してしまいまして、

読みかけの小説をもう一冊買う羽目になるわなにやらで

サッパリな人生を送っているのです。

ヒゲを触る癖も抜けません。

やれやれ。

あの、小説の良いところは時間を握っている点にあると思うんですよね。

例えば映画における時間って絶対的に決め打ちじゃないですか。

その間はどこかの座り慣れない椅子にきちんと座っていなければならないし、

途中で余計な事(人はどこから来てどこへ行くのかな?等)を考えたりすると

とたんに話が見えなくなってしまう。

けれども小説に対してどう時間を使うかは、読者が握っているでしょう。

もちろんどんな椅子に座ったっていい。

だいたい結構まとまった時間をその作品とともに過ごすことになりますからね。

生活の隙間隙間の、比較的気を許した時間にすっと入ってくるそれらのお話は

不意をついて心の琴線に触れる事もしばしばあります。

2時間やそこらで強制的にやってくる結末とはちょっと感じ方が違うわけです。

だから何だという事はないですけど。映画は映画で面白いよね。うん。

そんなアレで、 「クライマーズ・ハイ」/横山秀夫 を読み終わりました。

なかなか面白かったな。

話に破綻がない分「半落ち」より出来は良いかもしれない。

読んだ順番が違ったら順位が逆転したかも。

あ。なんかこの期に及んで小説に順位付けてる自分が寒い。

そんな暇があったらもっとこう、有益な事をしたらいいのに。

具体的には思いつかないけど。なんかこう素敵な。

女子とどうこうするみたいなことを。

よし、そういう小説を探そう。