ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

竜の巣

あのー、台風来たじゃないですか。

あの日は朝家を出る時もすごい風が吹いていて、あー、これは、アレだなと。

電車とかあんま動いてないなと。直感したわけです。すごいね直感。

ほら、僕と言えば、予知能力でおなじみじゃないですか。

1時間先を予知させたら右に出るものはいない(右向きに高速回転しているため)

と言われてるじゃないですか。

だもんだから、ここは自分の直感を信じまして、バイクで会社に向かいました。

風は確かに強烈でしたが、そこはほら、僕のバイクほら。ね。

てめハーレーなめんなと。風がなんぼのもんじゃと。

気合いを入れてぐいぐい走ってたわけです。

ともあれさすがにレインボーブリッジを渡る気にはなれなかったので

築地経由で迂回することに。

いつもはレインボーなんですけど、

迂回ルートでもさほど時間は変わらないので、

こんな風の日はこっちだろうと迷わず右折したんですが、

築地前でまさかの終末到来。

かつて魚介の類が収納されていたであろう発泡スチロール箱が

路上に大量に舞っていました。

わー、これアレじゃん。世界が終わるときの感じじゃん。

ラピュタにおける「バルス!」の状態じゃん。

ダメ!こっちがいかにゴリアテ級の巨大戦艦だとしても

そんな文明が滅びるクラスの攻撃はダメ!逃げて!

といっても止まるに止まれず、

そのまま崩壊中の竜の巣(魚介臭強め)に突っ込みました。

尋常じゃない風の音に取られるハンドル、手前の車に容赦なくぶち当たる発泡箱たち。

いやー、危ない。宙を舞う発泡スチロールの挙動は全く読めないし、

なんなら本当にラピュタ見えるんじゃないかと思いました。

すごいぞ、ラピュタは本当にあったんだ!父さんは嘘つきじゃなかったんだ!

あのちーへーいーせーんーらーらーららー♪ シーター!パズー!

ははは、人がゴミのようだ。人っつーか僕がゴミのようだ。ゴミのような僕だ。

うわー。

と、パニックの末蛇行運転のまま築地を突破。全体的には事なきを得ましたが、

台風の日はバイクに乗っちゃいけないんだということが分かりました。

先に言ってよ!

あと電車は本当に止まってて、打ち合わせメンバーが誰も出社できず、

なにも急いで来る必要なかったのにみたいな感じになってました。

うーん。

やっぱり人は土から離れては生きられないのだよなあ。

関係ないけどさ!