ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

若者の自立意識に関する調査

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最近多少は秋らしくなりましたが、あなた様はいかがお過ごしでしょうか。

さて、東京都ではこのたび、若者の方たちの生活や意識に関する実態を知り、今後の若者向け施策の参考とするため、『若年者自立支援調査研究』を進めていますが、その一環として『若者の自立意識に関する調査』というアンケート調査を行う事になりました。

このアンケートを実施するにあたり、住民基本台帳からランダムサンプリング法(くじ引きに似た方法)によって、都内にお住まいの15歳から34歳までの方の中から、調査をお願いする3,000人の方々を選ばせて頂いたところ、たまたまあなた様にもご協力をお願いする事になりましたので、突然で申し訳ありませんが、事前にご協力のお願いのハガキをお送りさせていただきました。

(以下略)

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というようなハガキがポストに入っていたので無視していたのですが、

なんか先日その調査員らしき人が僕の家にやってきました。あ、どうもこんにちは。

それはわりと小柄な女の人で、

アンケート用紙とおぼしき書類を差し出し、技巧的な笑顔を浮かべます。

うーわ、これは断りにくいなあ。と仕方なく書類を受け取ると、

「後日改めて回収に参ります、いつが良いですか」などという。

いやーあんまり家にいないんですよねー。と半端にゴネてみたところ、

「ではここで待っていますので今記入してくだい」とのこと。

ええ!?何この子。なんて分からず屋なんだ。

お前はアレか、離婚直前の妻かなんかか。

もう絶対ハンコとか押しませんから!慰謝料も払いませんから!

でもまあ諦めてアンケートに記入することにしました。

うん。あの、わりと暇だったのでね。断る理由もなくて。

そのアンケートの内容といえば、

・家族を大切にしている方だ。

・家族といると落ち着く。

・家にいる事が多い。

・理由があれば就職しなくても良いと思う。

・人と関わるのが苦手だ。

・虐められた事がある。

・死んでもいい思う事がある。

という、家族思いの若者からニートへの見事なグラデーション。

なんだ若者はみんなニートか。みんな反社会因子か。このやろう。

と、変な憤りを覚えて玄関を出ると、

すぐドアの前で調査員が直立不動で待っていました。

わあ怖いよ。人が怖いよ。

いや、ダメだ。この人の前で反社会的な行動はいけない。思うつぼじゃないか。

なにかしら社交的なところを見せなければ。

と、なんとか気持ちを立て直し、自分の持てる社交性を最大限に発揮。

取っつきにくさの化身とも言うべき調査員に対し質問してみました。

「このアンケートってどういう事に使われるんですかね?」

「ああ、ニートの事とかじゃないですか」

あー、ですよね。はい。

にべもない。と。

いいけど。

くじ引きに似た方法で3,000人だかを選ぶために住基ネットはできたんだと思う。