ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

バリウムうまい

バリウムがうまい。

ここ数年で格段にうまくなってる。

数年前はセメント飲んでるみたいだったのに、

今シーズンモデルは口当たりも良くて飲みやすいし、むしろもっと飲みたい感じに。

このままの進化を続ければ、

数年後には道玄坂バリウム飲むための行列ができると思う。

もうなんだろ、女子高生とかがヘルシーヘルシー言って、ガバガバ飲む。

ABCマートの前にしゃがみ込んで飲む。

バニラ味の他にも

マンゴーとか、チョコとか、味のバリエーションも豊富に取り揃えまして。

炭酸と下剤の3点セットがオススメ。

むしろそのセットじゃないと意味ないから、必ずセットで売れる。

なにしろ下剤が飛ぶように売れる。

あ、なにこれすごくない?

よし!見えた!

渋谷でバリウムカフェを展開しよう!

こいつは天下取ったも同然やでー!

とか言ってはしゃいでたら胃に腫瘍が見つかりました。

ええー・・・。

引くわー。

カフェとか言ってる場合じゃないわー。

バリウムカフェて。はあ?なにが面白いの?バカかよ。

人間ドックの診断は

数値が全てA評価なのに、バリウムだけが

「胃穹隆部 粘膜下腫瘍」で要精密検査という

なんかリアルな結果で。ものすごい速度で現実に引き戻されました。

うわー、僕ももうここまでかー、死ぬるわー、マジかー。

この前入った医療保険にオプション付けといて良かった。

いや別に良くないけど!あっぶねー!

しかし、改めて考えてみると

僕個人で言えばまあ、そんなに思い残すことも無いっていうか、

死を受け入れる事もまあ、できなくもないような気がして。

これが年を取るってことなのかなと。

しんみりしちゃいました。

いやいかん、もっと思い残すこと作ろう。

未練タラタラで、やだやだ言いながら死んで行こう。

そっちの方が健全な気がする。そうしよう。

とはいえまずは胃カメラを飲まないとどうにもならないみたいで、

もう一度病院行くことになりました。

そんで、初めて胃カメラやったんですけど、

アレなんすか。

みんなあれ普通にできるの?あんなもん、喉通ります?正気の沙汰なの?

こちとら喉麻酔の時点でやたらえづいちゃって。

げーげーいって。

もうこれ以上げーげー言うと胃カメラ止めますからね!

とか看護婦さんに怒られて。

なんかすいません。つって。

こっちは死ぬかもしれないのに、怒られて。げーげー言って。謝って。

ごめんね、げーげー言ってごめんね。つって。

いや、なんなのこれ!

こっちが謝ってほしいわ!なんとなく!

そんなこんなでわちゃわちゃしたあげく

ようやく胃カメラを喉から出してもらえたら

なんのタメもなく、

良性の脂肪腫なんでだいじょぶですよ、おつかれさまでしたー。

と言う。

ああ、そうなんですかどうもありがとうございました!

と、なんとなく割り切れない気持ちで診察室を出てきました。

いやまあ良かったんですけど。

取り急ぎ死ななそうで。

あれって正味10分かからないくらいの検査なんですね。

なんだ。

終わってみればまあ、あっけないですけど、

いろいろと人生を考える時間でした。

バリウム、うまい。

胃カメラ、うまない。