ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

死ぬタイプの生殖

あのー、よくカマキリのオスがね。

交尾した後メスに食われるという不遇の存在である事は話題になるんですけど。

まあエロに命賭けてますわ。男前ですわ。

捕食者に対してね、果敢に行きますわ。

あーこれ終わったら食われるのかあ。って思いながらね。人生のピークを迎えます。

もうね、泣きながら交尾しますよね。

うおぉぉりゃぁー!つって。

言いながら、ちょっと早めに走馬灯見てる。

それであの、一方、ミツバチのオスなんですけど。

ミツバチのオスって、一回交尾すると爆発するらしいです。

いや、爆発って!!

何その感じ。ハードコアすぎんだろ。

自分の子孫を残すための行為が死と直結って。

情緒もへったくれもない。

おい聞いたか?山田先輩、2組の女子とやったらしいぜ。

みたいな中学生ならではの下世話な話題も意味合いが全然変わってくる。

それはもう、とんでもなく高尚な行為ですから。

体育倉庫には山田先輩の死骸が飛び散ってて、

部の後輩たちが泣きながら掃除しますから。

仏頂面の顧問の先生も「あの野郎、都大会前に逝きやがって・・・」って言いながらも

畏敬の念を拭いきれない。

ラブホテルなんてもう信仰の頂点に位置する寺院みたいなことになるんじゃないでしょうか。

性交渉=即死なわけですから、

それはもはや墓場に近い存在というか。生と死がひとつになる場所なわけで。

とかく子孫を残そうとする者に一辺の余生なし。

なんでもミツバチのオスは、

女王と交尾するためだけに一定数生まれてきて、

その中でも選りすぐられた大きく強い個体だけが女王との交尾。

結果、腹部が爆発して死ぬんですが、

その際、自分の生殖器を女王の体内に打ち込んで

ふたをしてしまうらしいんですね。

自分以外の遺伝子が残らないように。

その心意気たるや。どうですか。

執念というか、意地というか。

男としての存在意義を人生最後の瞬間に全て打ち込むという。

強力な意思を感じます。

それはカマキリの、

メスに捕食されて子育てのための栄養になるようなやさしげな性質とは

全く趣を異にするものじゃないでしょうか。

まあ、結果死ぬのは同じなんですけど。

 

 

あと実際は性欲の化け物なので

美化してもしょうがないんですけど。