ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

姑息勇者

ドラゴンズ・ドグマをね。

ちょびちょびやってまして。まあ、ゲームなんですけど。

こう、やっぱ世界とか救わないと駄目だろ。つって。

まあ他に救えるものもないし、とりあえず世界から救うか。と。

これ、けっこう主人公とか仲間の形を自由にカスタマイズできるというもんだから。

ほらなんか最近のRPGの勇者って全員イケメンじゃないですか。

ぱっと見まあ、世界救いそうな感じは、最初からしてる。醸し出してる。

基本いいやつだし、誰からも好かれるし。そんでほんとにがっつり世界救っちゃう。

どうもね、鼻につくっつーか、感情移入できないんですよね。

もうそんなイケメンに生まれた時点でいいじゃないですか。成功じゃないですか。

お前はもう世界救うなと。農民でもやってろどうせモテんだからと。

そういう気持ちを抱えておりましたところへのドラゴンズ・ドグマです。

こいつはカスタマイズの自由度がかなりあって、

顔から体型から髪型まで、いろんな部分を幅広く変えられるので

工夫次第でおよそ勇者らしからぬ仕上がりにできますから。これだ。と。

だもんでとりあえず「脱サラ勇者珍道中」というコンセプトのもと、

うだつの上がらない系中年男性を2人作って始めました。

主人公「のりすけ」は地元の証券会社に20年ほど勤めた後、

自主退職を迫られ退社。自然食品屋を始めるも1年でつぶし、

資産がほぼなくなったので仕方なく勇者でもやるかと地方の漁村に移り住む。

勇者と生活保護をほぼ同等と考えているふしのあるうっかり人間。

相棒「かつとし」は地元商店街で親から継いだ喫茶店を経営していたが

中学からの同級生である主人公の境遇を知り、あっさりとたたんでしまう。

元来内気で客商売に向かない性格だったし、コーヒーも別に好きじゃなかった。

かといって他にやりたいこともないし、という主体性のなさで旅を共にすることに。

というストーリーを勝手に自分の中で作って冒険に飛び出したんですが、

いやはやこの二人の下っ端感がすごい。

まあ、僕がそういう風に操作してるんですが。

強きにへつらい、弱きをくじく、徹底した下衆の精神で、

野では小ウサギを追いかけ回し毛皮を売って生計を立てる一方、

夜な夜な人の家に忍び込んでは食材を盗んだり壷を割ったり、

まあ、好感度が下がる下がる。

相棒も持ち前の消極性をいかんなく発揮するので

出かけてもすぐに「嫌な予感がする」とか言って帰りたがるし、

戦闘中も一切前に出てこず、ひとりで珍しい小石を拾ってたりします。

いいぞ。その調子!

このまま勇者としてのうま味を吸いながら、

村人たちの「あの人、世界救う系の人じゃない?」という視線をかいくぐり、

宿敵ドラゴンから逃げ回る生活がいつまで続けられるのか。

あとそんなんで世界は救えるのか。

果たして。