ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

ボルダリング

そういえばボルダリングに行ってきました。

なんか、ぼこぼこの付いた壁を登るやつで。

3メートルくらいの高さの壁を、

難易度によって決められた石を手がかりに登るんですけど。

なんか、登れって言うから登るんですけど。

僕ほら、マウスより重いもの持ったことないじゃないですか。

この前も、金属製のボールペン持つのに「ぃよっ!」って言いましたから。

ボールペン背負う勢いですから。

そんな僕が壁をね、登りますよ。みんな逃げてー。

あのこれ、1壁1人と決まっているんですけど

順番とか特にないんですね。

みんな壁の下に集まって、人がハケたら適当なタイミングで取り付いていく。

人がいるのに登り始めたらそれこそアレです。

垂直ツイスターみたいなことになって超高難度だし、全然エロくないし。

エロくないツイスターなんて誰がやるの?

えーと、右足赤で左手緑!えーやだー、オーバーハング

死ぬよねそれ。

それで、まあ基本みんな空くのを待って人が登るのを見上げてるんですけど、

前の人がゴールに近づくと

次誰が行くのか牽制が始まります。

なんか滑り止めの粉を手に付け始める人もいれば

立ち上がって準備体操したり、専用のシューズを履き直す人もいる。

えー?みんな次登る顔してない?大丈夫?喧嘩しない?せーので登るの?

と、玄人達の挙動にビビっているうちになぜか前に出てしまい、

自分が登る空気になってました。

ええー!

いや、そんな、僕アレですよ?

ほんと、アレ、戦闘力とか小動物並みですよ?

主食とかもヒマワリの種ですし。無理じゃないっすか?

といっても玄人達は再び座ってしまい、

引くに引けない状態に。

だもんで仕方なくはじめたんですが、

あー、なんだろ。欲が出たのかなー。

見栄って怖いよね。

ルートには初級、中級、上級とあるんですけど、

気がついたら中級の石に手をかけてました。

バカ!何やってんだ!スポンジを撫でる程度の握力しかないのに!

しかしもうここは行くしかない!俺も男だ!

こうなったら絶対登頂してみせる!

即落ちしました。

小虫のように、コロンって。

ああー。だだだ、だーめだったよぉー。やっぱりー。

つって恐る恐る顔上げたんですけど

まだ誰も準備してないの。

あまりにも瞬殺すぎて。

なにこの空気。

あー、これ知ってるぞ。「え?」の空気でしょ。

知ってる知ってる。

はいはいはい。

どうしました?

壁、空きましたけど?

つって、悠々とその場を立ち去り、

部屋のすみに行ってしばらく膝を抱えてました。

見栄って怖いわー。