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ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

ハーバード白熱教室

ハーバード白熱教室が面白い。

NHK見てたら、なんでもハーバードが白熱してるって言うじゃないですか。

ハーバードってあれですもんね、白熱しない事で有名ですもんね。

知らないけど。

まあ。

なんか、白熱白熱言うからつけてたら、

思いのほかこれを見てしまい、

勢い余ってDVDも買ってしまいました。アマゾンが怖い!

ハーバードで行われているマイケル・サンデル教授の

政治哲学の講義なんですけど、

生徒達とディベートしながら理論をひも解いていく様子は、

よくできた芝居のよう。

生徒つってもみんなハーバードの人なので、

言ってみれば全員天才。気味が悪いほど頭が良い。

なんなのあの子達。なんであの状況でハイハイ手を上げられるの?

講義前半は功利主義と自由原理主義の話。

「最大多数の最大幸福」を唱う功利主義の、

みんなの幸せが最大に高まる結果が得られる行いをすべし!みたいな話と。

自分は組織の前にまず自分に所属しているのだから、他人の権利を侵害しない限り、

自分自信の幸福、自由な意思を尊重すべし!みたいな自由原理主義の話。

で、いくつか興味深い例が出てくる。

■ミニョネット号事件

1884年7月5日、

喜望峰から1600マイル離れた公海上でイギリス船籍のヨットが難破。

脱出した救命艇には

船長、航海士、給仕、見習いの4人が乗っていた。

それぞれ家族のある船員達の中にあって、見習いの青年は孤児だった。

遭難18日目に食料が尽き、船内は危機的状況に陥る。

遭難20日目、見習いの青年は空腹のあまり海水を飲み、衰弱してしまう。

このままでは4人とも餓死してしまうと考えた船長と航海士は、

誰か1人を犠牲にするしかないと考え、くじ引きを提案。

これに給仕が反対し、くじ引きは実施されず。

やがて船長と航海士が衰弱した青年を殺害し、

3人はその血肉を食べて飢えを凌いだ。

遭難から24日目に救出。

(その日、船長は日誌に「我々が朝食を食べていると」と書いている)

果たして、船員達の行動は道徳的に許されるのか。

最大多数の最大幸福を唱うなら、

3人の妻子ある人物が生き残るために、1人の瀕死の孤児を殺してもいいのか。

あるいは殺人は基本的人権の侵害なのでいかなる状況でも許されないのか。

では、くじ引きが全員の同意のもと行われていたらどうか。とか。

んー?

となってしまう問題に生徒達がバシバシ答えていきます。

いや、なんで答えちゃうの?怖くないの?

面白いのは、世界各地から集まった生徒達が、

自分の育った基盤を元に少なからず意見を組み立てている事で。

そこにはヨーロッパ系の人もいれば、アジア系もアラブ系もアフリカ系もいて、

みんなやっぱり少しお国柄を反映した話をするんですね。

日本人の若者だったらこの場でなんて言うかなあ、

最後まで全員が生き残ることを考えるんだ!諦めるな!

みたいな展開って、マンガとかでよくあるけど。

4人とも餓死するのが日本人の美徳なんだろうか。

裁判員制度なんかも始まって、

正義についてきちんと考える時期なのかもしれません。

ただハーバード白熱教室の全講義を集めた

DVDボックス15,000円を購入する勇気がなく、

とりあえず2巻だけ買って様子を見て、結局後悔している僕は

正義から一歩遠ざかった気がします。