ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

尾瀬・至仏山

尾瀬に行ってきましたよ。

尾瀬ってね、広大な湿原が広がる素敵スポットですが。

その日は天気も抜群で、絶好の行楽日和。

家族連れなんかも大勢来てて、自然が作り出す雄大な景観に

とびきりハッピーでピースなバイブスがこう、ワッてなって。ドーン!みたいな。

しかし、僕ともなればその湿原を黙って通り過ぎますから。

ピース?え?それって食えるの?食えるならください。2個ください。

なにしろ今回はわたくし、山を登りに来たのであります。

ええ。

鎌倉アルプスが登れなかったという事実をさらっと無視しまして、

まさかのステップアップ。

ステップアップしていい理由なんてどこにもないのに、

勝手に「オレ、山、けっこう登ってっから」みたいな顔でのこのこやってきました。

尾瀬ケ原から入山できる健脚向けの山。至仏山(しぶつさん)へ。

まあ、入山直後に出会った老夫婦に「山デビューですか?」などと聞かれたので、

「え・・あ・・・はい・・・」って答えてやりましたけどね!

それで、山、登ってったんですけど。

あのー、急じゃね?山ってこうなの?みんなこんな感じ?

山界でも至仏山だけ特別やんちゃ、みたいな事ない?

あそこんちの子はねー、ちっちゃい頃は可愛かったんだけど、

ご両親が離婚してから変わったよね。うん。目つきが暗くなったっていうか。

なんだか悪い友達とも付き合ってるって言うし。

勾配も急だし。岩場が多くて足下が不安定だし。

正直登りにくいよねー至仏山って。みたいなのない?ないの?あそう。

まあ、地元の人に聞いたら比較的登りやすい山だって話なんですけど。

這いつくばったり、鎖を頼りにずるずる登ったりするポイントもあり、

けっこう息も切れて来たので、休み休み登っていたら、

途中でさっきの老夫婦に追いつかれました。「こんにちはー」つって。

すごいな!ご夫妻!

つって素直に賞賛すると「まだまだこれからですよー」とのこと。

そうなの!?という感情を顔に出さずに「ですよねー」つって再び腰を上げる。

天気が良すぎて気温も高く、汗が頬を伝い乾いた岩壁に滴り落ちる。

大した日焼け対策もして来なかったので、日影を頼りに進みます。

至仏山日本百名山にも数えられる標高2228mのちゃんとした山でして、

1700mを超えると森林限界がやってきます。

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もうここから先は木は生えませんという事なのですけど。

それがどういうことなのか、深く考えてなかったというか。なんというか。

あれですね。日影。ないですね。そしたら。

そこから先は、ぜえぜえ言いながら気合いで登りました。

山頂で食べようと思っていた昼食も早めにとり、計3時間ほどかけて頂上に。

くだりにも同じくらいかかって、なんとか帰路に。

帰りのバスの記憶がありませんが、リュックを抱きしめて寝ていたと思います。

よだれのあとがしっかりついていたからね。

そんで翌日には日焼けで首の後ろがぺろぺろになってました。

みんなに「海行ったの?」などと聞かれます。

行ってないよ!

水着ギャルとか一切いなかったよ。老夫婦と心の対話をしただけだよ。

そういえばあの老夫婦はうまく下山できたのかな。

自分でも時間的にけっこういっぱいだったから心配だ。

 

 

 

 

 

鳩待峠 → 山の鼻 → 至仏山 → 小至仏山 → 鳩待峠

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尾瀬ケ原。のどかな雰囲気。

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至仏山上り。振り返れば尾瀬沼の方が見える。人が蟻のよう。

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至仏山下り。小至仏山への縦走気分。落ちたらまず死ぬ。

いくら「岳」を愛読してても死ぬ。