ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

ウィルス

ウィルスって神様じゃないですか。

あの、ちょっと前に人に進められて「1/4の奇跡」というドキュメンタリー映画を見たんです。

まあ映画自体はなんだか偏った宗教の勧誘ビデオを見せられているようでピンと来なかったんですけど。

その中に、アフリカのある村でマラリアが蔓延したときの話が出てきたんですね。

その村では鎌状赤血球というものを持った人間がいたらしいんですけど、

その鎌状赤血球を持っていると一定数呼吸器系に障害を持つ者が生まれる一方、

マラリアにはかからないんですって。

いろいろ調べた結果、村人の1/4が鎌状赤血球を持たない健常者で、

2/4が鎌状赤血球を持つ健常者で、

残り1/4が鎌状赤血球を持つ障害者だった。

鎌状赤血球を持たない者はその時マラリアで命を落とすことになるけれども、

鎌状赤血球を持った者達は生き残るわけで、

つまり障害者達がいたおかげで村は救われたのだ。

というようなお話。

障害を持って生まれてきたのにはそれなりの意味と役割がある。ということらしいのです。

まあ、そういうことはあるのかもなと。

それは必要だからそこにある。世界に役割の無いものなんて存在しないのだ。

で、ほら、ウィルスって神様じゃないですか。

いやあの、あいつさ、ウィルスさ、なに?

何のためにいるの?

なんにも良いことしないじゃん。生き物を病気にさせるばっかりで、

自分では増えられないし、エネルギーも生まないし、定義的には生物でもない。

なんなの?いったいなにがしたいの?

つって。

ひょっとするとあいつら、病気にさせること自体が役割なんじゃないでしょうか?

もし世界に完璧な環境が整っていたならば、

生き物なんて1種類でいいじゃないですか。1回りの食物連鎖さえあればいい。

でもそうはなりませんでしたね。

環境は激しく変化するわ、いろいろ災害とか起きるわもう大変で、

そういった変化に備えるには生き物を多様化する必要があったわけでしょう。

そうしとけばどんな環境の変化が起きても、

誰かがきっと生き残って命をつないでくれる。

一説によれば生命の進化の過程にある分岐点では必ず突然変異が起きているらしいですから、

それって要するに病気じゃないですか。その時点では。

そんな遺伝子レベルの病気がどこからやってきたのかつったら。

あれでしょ。あいつらのしわざでしょ。

ね。今世界にこんなにたくさんの種類の生き物がいるのは

あいつらのせいですよ。ウィルスですよ。

あいつらが多様な生態系をコントロールしているんですよ。実は。わー怖いね。

もし生命の進化に神の意志みたいなものが介入しているとしたら、

それはウィルスという形を取ったに違いないと。そういう。ね。

まあ、それだけなんですけど。

うん。

そんなことより早く帰ろ。