ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

大丈夫

大人なのにひざこぞうをすりむいています。

先日自転車で派手に転びまして。

電話がね。かかってきたんですよ。また電話かっつー話ですけど。

とにかく携帯電話のやつは本気で僕を殺すつもりですよ。

朝、自転車で会社に向かっている時に電話を受けまして、

その内容がまた深刻なトラブルの連絡だったものですから、

聞き漏らさないように「はいっ!ええ・・あ、はいっ!」つって真面目に聞いてたんですよ。

自転車に乗りながら。

これがまずかった。

国道沿いの歩道って、

なんかよくぺらぺらのハタみたいの立ってるじゃないですか。

パチンコ屋だったり、レンタルビデオ屋だったりするやつですけど。

それがこう、風にあおられまして、

僕の自転車のハンドルにぐるぐるガッて。

あのー、僕、飛んだと思う。

自転車を置き去りにしていつの間にか空と一体に。

スピードの向こう側へ。

尾崎豊が見たかも知れない景色を見ていました。

で、肩から着地。最低限の安全性を考慮した墜落。ズサーって。

地面を滑り道路端の電柱に頭を当てて止まりました。

電話の相手はなんか「あ、なに、いま外?」みたいな事を言っています。

とっさに「はいっ!大丈夫です!」と答えましたが、

ぜんぜん答えになってないし大丈夫でもない。

大丈夫な人は早朝から道端に横たわったりしない。

ともあれ向こうにはなんか大きな音が鳴ったくらいの事情しか伝わらず。

緊急連絡は途切れる様子がないので、

僕もとりあえずそのままの姿勢で応対していたのですが、

なんだか周りに人が集まって「大丈夫ですか?」と声をかけてくれるようになりました。

ああ。ありがとう。すいません。なんのおかまいもできませんで。

もう一度「大丈夫です」と電話相手にとっては意味不明の相づちを打ちながら

立ち上がり、周囲の心優しい皆さんにお辞儀をして歩き出しました。

電話の向こうもそれはそれで切迫しているようで、

どうやら急いで出社して対応しなければならない雲行き。

痛いとか言ってられません。

電話を切ってから立ち漕ぎで会社に向かいました。

自転車コケても仕事コケない。

ササガキです。

大丈夫ですか?