ことなかれ

あたりさわりのない日々の記録

クマゲラ

午前2時にクマゲラについて知る必要は僕には全くないのだけれども、

NHKにとっては午前2時にクマゲラの事を知りたい人のための番組を作ることが

すごく大切な事なのかもしれない。

そのへんの理屈はよく分からないけど。

もし僕が世界でもっとも有名なクマゲラ研究家だったら

もちろんそれは意味深いものになるのだろうと思う。

北海道に住むクマゲラの四季折々の姿を見る事ができた僕は興奮し、

世界で2番目に有名なクマゲラ研究家に電話をするかもしれない。

でも残念ながら僕はクマゲラ研究家ではないし、

鳥類全般に対する知識もそれほどあるわけじゃない。

だいたい僕は疲れていて、明日もそれ以降も続くであろうハードな作業に備えて

できる限り早く眠りにつく必要があるはずなのだ。

でもまあ結局僕はその番組を見てしまった。

なぜだか分からないけれど最後まできっちりと。

番組が終わったあと時計の針は3時を指そうとしていたのだけど、

その頃の僕はすっかりクマゲラ好きになってしまっており、

クマゲラすげえ!」「熱い!クマゲラ熱い!」などと一人で盛り上がり、

寝るどころの騒ぎではなくなっていた。

クマゲラ研究家でなくてもこれくらいにはなる。

深夜2時にクマゲラを知る必要は僕にはないけれど、

逆説的に言えば僕は深夜2時にクマゲラについて知る事ができる。

これってなんだかすごい事ではないだろうか。

クマゲラ当人としてもまさか深夜2時に東京で生きるひとりの人間が、

自分の事を熱烈に応援してくれているとは夢にも思うまい。

時として文明は偉大だ。

あと眠い。

ちなみに、クマゲラは北海道と東北地方北部の一部の山に生息しているキツツキの仲間である。

朽木などに巣を作る蟻を好物としており、

鋭いくちばしで穴をあけ、粘着質の長い舌を器用に差し込んで捕食する。

冬場は朽木が雪に埋もれてしまうため、生きている木をつつく。

ただ闇雲に木をつつくのではなく、内部が腐って蟻が入り込んでいる木を巧みに見つけ出し

その中心部まで深い穴をあけて餌を探しだす事ができる。

四角く大きな穴に樹液を溜め、蟻を誘い出して食べることもある。

やがてその穴は他の鳥の巣穴となり、

また腐りかけている木を倒す事で世代交代を作り出し、森の生態系のバランスを取っている。

一夫一妻。主に単独で行動する。

あと目がクールでカッコいい。

イカス。

http://ja.wikipedia.org/wiki/クマゲラ